「DXの一環として、電話もクラウドPBXに切り替えようと思っています」
実際、こうした相談を受けることが増えました。
たしかに、クラウドPBXは便利で今どきな印象があります。
でも、それが本当に“業務の本質的なデジタル化”につながるか?と聞かれれば、答えはNOかもしれません。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、単なるツールの導入ではなく、業務そのものの最適化や変革を意味します。
今回は、電話をクラウド化すればDXになる、という誤解と、
中小企業こそ考えるべき「本質的な業務改善としての電話システム選び」についてお話しします。
クラウドPBX導入が、必ずしも“改革”とは限らない理由
クラウドPBXは、インターネット経由で通話ができる便利な仕組みです。
初期費用も抑えられ、スマホで内線通話ができるなど、一見“最新の働き方”に見えます。
しかし実際には
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- 通話品質が不安定
- スマホに不慣れな社員が多い
- 月額コストが人数分かさむ
- 内線・代表電話の運用が複雑になる
こうした「”業務のしづらさ”がむしろ増えているケース」も少なくありません。
DXの本質は「業務の最適化」にある
DXとは「ITツールを導入すること」ではなく、ツールを使って“業務のムダやストレスをなくす”ことです。
つまり、“本当に業務に合った電話システム”を選ぶことこそが、DXの第一歩。
- いつでもつながる
- 誰でも迷わず使える
- コストを最小限にできる
- 社内のフローにフィットしている
これが実現できるなら、クラウドかオンプレミスかは二の次なのです。
“あえて”オンプレミスを選ぶ企業が再び増えている理由
- 社内LANで完結するから通話が安定
- PoEで電源不要、既存LANをそのまま活かせる
- 自由な内線設計で部署ごとにきめ細かく設定可能
- 月額費用がほとんどかからず、長期的にコストを抑えられる
こうした理由で、一度クラウドPBXを使った企業がオンプレミスに戻る“回帰現象”も増えています。
DXを成功させるのは、「正しい選択」ではなく「適した選択」
電話システムを見直すとき、
「クラウドが新しい」「オンプレミスは古い」――
そんな表面的な判断だけで決めてしまうと、業務の本質的な改善から遠ざかってしまいます。
大切なのは、“自社の業務に本当に合っているか”という視点です。
DXとは、見た目の変化ではなく、現場のストレスをなくすこと。
その第一歩として、電話という「当たり前」の存在を、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。