クラウドPBXの落とし穴?サブスク嫌い企業が選ぶべきPBXとは【2025年版】

クラウドPBXが主流になりつつある背景

2024年1月、NTT東西の固定電話網(PSTN)が完全にIP化へ移行したことで、従来のアナログ回線やレガシーPBXの利用が難しくなり、クラウドPBXへの移行を検討する企業が増えています。
クラウドPBXは初期費用が安く、スマホやPCを内線化できるため、テレワークや外回りが多い企業にとっては非常に便利です。また、複数拠点でも一括管理が可能なため、導入スピードや拡張性に優れています。
しかし、クラウドPBXの多くは「サブスク型(月額課金)」です。毎月の利用料が積み上がるため、「長期的に使うと高くつくのではないか」「経営が苦しくなった時に削減できないのでは」と不安を抱く企業も少なくありません。

サブスク嫌い企業の本音とは?

経営者(男性)

中小企業を中心に、サブスクに対するネガティブな意見が根強く存在します。よく聞かれる声は以下の通りです。

「毎月固定費が積み重なるのが嫌だ」

10年単位で考えると、サブスク型PBXの費用は数百万円に膨れ上がります。一方オンプレミスPBXは、一度導入すれば毎月のランニングコストは最小限です

「所有資産が何も残らない不安」

買い切り型なら機器が手元に残り、資産として扱えるのに対し、サブスクは解約すれば何も残りません。

「経営が苦しいときに削減しにくい」

不要なサブスクは解約できても、電話や会計ソフトのような「絶対必要なもの」は削減対象にできません。

「契約縛り・値上げリスクがある」

サブスク契約は解約条件が複雑で、途中解約には違約金が発生する場合もあります。さらにサービス提供者の都合で値上げされる不安もあります。

「インターネット障害が怖い」

クラウドPBXはネット環境に依存するため、通信トラブルが発生すると電話が止まるリスクがあります。

40〜50代経営者がサブスクを嫌う理由

2人の経営者イメージで男性にクローズアップ

40〜50代のベテラン経営者は、「買って所有すること=安心」という価値観を持つことが多い世代です。バブル期や高度経済成長期を経験した世代は、「資産を残す」「長く使い倒す」ことが合理的と考える傾向があります。
また、過去に複合機やPBXのリース契約で「結局高くついた」「解約に手間がかかった」という苦い経験を持つ人も少なくなく、サブスクや月額制に対する警戒心が根強いです。
さらに、PBXや電話設備は10年以上利用できることが多いため、「一括購入で導入すれば10年後もほぼゼロコストで使い続けられるのに、毎月課金されるのは損」という感覚もあります。

40代以下経営者はどう考えるか?

2人の経営者イメージで女性にクローズアップ

一方、40代以下の経営者や管理職は「所有よりも利用」という発想が主流です

  • 「必要なときに契約し、不要なら解約する」柔軟性を重視
  • 保守・アップデートを業者任せにできる手軽さを評価
  • 初期費用を抑え、キャッシュフローを守る経営判断を優先

また、デジタルネイティブ世代はクラウドサービスに抵抗がなく、「常に最新の環境で運用できる」ことを高く評価します。
ただし、「永遠に必要なサービス(電話や会計システム)」については、「長期コストが適正かどうか」を気にする傾向もあります。

クラウドPBX vs オンプレPBX vs ハイブリッド – 比較表

比較項目 クラウドPBX
(サブスク型)
オンプレPBX
(買い切り型)
ハイブリッド型
初期費用 安い(機器不要) 高い(機器・工事費用) 中程度
月額費用 ユーザー数課金で増減 固定費(保守・回線のみ) 両方発生
通話品質 ネット環境に依存(遅延リスクあり) 高品質で安定 コア部分は安定
保守・管理 メンテ不要(業者側で更新) 自社または業者保守が必要 部分的に保守が必要
拡張性 高い(ユーザー追加も即時) 機器増設や設定変更が必要 中程度
テレワーク対応 スマホ・PC内線が標準 難しい(VPN等が必要) クラウド部分のみ対応
経費削減余地 毎月固定費→削減しにくい 導入後は
低ランニングコスト
部分的に削減可
導入スピード 数日で利用開始 1~2週間(工事含む) 1~2週間

経費削減の視点から見た最適解

2人の経営者イメージで男性にクローズアップ

経営が苦しくなり、何かしらのコスト削減が必要になる場面では、サブスク型は大きな課題となります。
クラウドPBXは解約すればサービスが止まり、削減余地が少ない固定費です。
長期的に見れば、オンプレPBXのほうが圧倒的にコストパフォーマンスが高いことが分かります。

結論 – サブスクに不安があるならオンプレPBXが有力

2人の経営者イメージ

クラウドPBXは便利で拡張性が高い一方で、「毎月払い続ける負担」「経営難時の削減不可」「サービス依存リスク」という課題があります。
サブスク型に不安がある企業、特に中小企業にとっては、買い切り型のオンプレPBX(中古導入含む)が最も安心できる選択肢といえるでしょう。
ただし、将来的にクラウド連携やテレワークを取り入れる可能性がある場合、
「オンプレ+クラウドアプリのハイブリッド構成」という柔軟な導入方法も検討すべきです。

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